一人親方労災保険に特別加入するメリット
一人親方労災保険に加入することによって生じるメリットは、仕事上の必要性と労災時の補償給付です。
建設業は他の業種に比べても労災が起きやすく、その被害も大きくなりやすいです。そのため労基署も労災防止および労災が起きたときの備えについて事業主に厳しく指導を行っています。事業主が労災保険に加入することはもちろん、無保険者が建設現場に立ち入らないよう監視することも行政による指導のひとつです。
このうち無保険者に該当しやすいのが一人親方です。一人親方は事業主が加入する労災保険の補償対象にはなりません。何の手続きもしていない状態であれば無保険者になってしまうのです。これを防ぐために一人親方労災保険の特別加入が認められています。労災保険に未加入の一人親方は、仕事の受注が難しく、建設現場に立ち入りを拒否されることもあります。
仕事の受注に必須の一人親方労災保険ですが、労災に遭ったときの補償給付も重要な役割です。労災によって負ったけがや後遺症の治療費、休業中の賃金補償を受けることができ、本人が死亡した場合には遺族への補償も行われます。また、本人や遺族以外の人が葬儀を執り行った場合、その費用を請求することも可能です。
このように一人親方労災保険は、本人が安心して仕事に従事できるだけでなく、一人親方に仕事を発注する事業者にも安心感を与えて、仕事の受注をスムーズにすすめることができます。一人親方本人にとっても本人以外にとっても労災保険に特別加入するメリットは大きいのです。